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Artist Ted Colyer アトリエのある自宅を訪ねる。彼の作品がところ狭しと飾られ、そこはまるでギャラリーのようだ。ゆっくりと作品を見る暇もなく、版画について、絵画について熱く語り出すTed氏。今年57歳になる彼が、まるで少年のように目をキラキラさせながら…。彼のアートへの情熱は止まるところを知らない。 木版画に魅せられ日本へ 「もし絵を描かなくなったら、きっと僕は、僕の人生とはなんだろうと自問自答するだろう。僕の人生に何の意味があるのだろうかと。生きている意味がない。これだけが、僕にできるたった一つのことなのだ」。 一つのことだけにこだわらず、水彩画、リトグラフ、アクリル画、木版画といろいろな種類のアートに興味を持ち、作品を創作し続けている。4歳の時に、父親が描いた一枚のウサギの絵を見て、「お父さん、ウサギはそうじゃないよ」とウサギの絵を描き始めたTed氏。家がスタジオで、絵を描くことがとても自然だった幼少時代。大学で美術を専攻したTed氏は、日本の木版画に興味を持ち始め、本格的に木版画や浮世絵を習うために、日本に行くことを決意する。 一つの木版画を制作するのに費やす労力は、キャンバスに向かって描く絵画よりも遙かに多い。カラーの分だけ木版を作成しなければならない。そんな手間のかかる木版画だが「木版画は他にはない、とてもオリジナルのテクニックを必要とするんだ。だからこそ、やっていて楽しい」とTed氏は語る。 アーティストになるか? それとも… 日本で英語教師をしながら絵画や木版画を創作していた青年時代。「僕たちに子供ができた時に妻が言ったんだ。アーティストになるのか、それとも違う仕事を探すか、今決めなければいけないって」その奥様の一言で、アーティストになることを決意したTed氏。「将来の不安がなかったわけじゃない。でも、僕はとってもラッキーだったんだ」と彼が言うとおり、数ヵ月後アメリカンクラブで個展を開いたTed氏の作品は、一枚残らず完売となる。 「世界中に自分の作品があって、僕の作品を愛してくれる人がいる。スタジオに籠もって作品を作り上げている時は、僕は独りぼっちなんだ。ここには特別なことなんて何も起こらない。毎日が平凡で、だから時には不安にもなるし、これが僕の最後の作品になるんじゃないかと、恐怖心を感じることもある。でも、僕の作品を買った人が、世界各国からEメールを送ってくれる。自分の作品がいろんなところへと行き、今度は彼らの生活の一部として存在しているということが、僕をすごく幸せな気持ちにしてくれるんだ」。 偉大な画家の多くは、80歳を過ぎて世紀に残る作品をこの世に生み出していると彼はいう。なぜ、作品を創作し続けるのか? そんな私の問いにTed氏はこう応える。「20年後、僕はもっと素晴らしい、偉大な作品をこの世に生み出すことができるかもしれない。そう思ったら、作品を創ることを止めることはできないんだ」と。 Solitude(木版画) …木のカラーは青を基調とし、バックには金箔を使用している。 木版画の道具を使いながらどうやって浮世絵を創作するのか熱心に教えてくれた この様に、カラーの分だけ木版を作成する。右下は完成した作品だ。 Ted Colyer Mt. Allison Universityにて美術を専攻。卒業後、日本で吉田遠志を師に木版画を学ぶ。1975年よりプロの画家、版画家として日本で活動を初めたTed氏は、1988年にカナダへ帰郷。現在、バンクーバーを拠点に創作活動を行っている。先日、日本のカナダ大使館で、Ted氏の描いた旧友の高円宮殿下の肖像画が展示された。6月には、日系ヘリテージセンターで作品の展覧をする予定。 Web http://www.tedcolyer.com >>Go back to "About Ted Colyer"
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